第207章

野呂栞と白井小鳥が追ってくるのを見るや、男は踵を返して全力で駆けだし、あっという間に病院の外へ飛び出した。

玄関口にはちょうど救急患者が運び込まれていて、人だかりができていた。二人がその隙間を押し分けて外へ出たときには、男が車に乗り込み、走り去る背中しか見えない。

「くそっ!」

野呂栞が悪態をつく。今さら追っても間に合うはずがなかった。

白井小鳥が言う。

「地煞の連中、病院にまで入り込んでたんだね。藤原の旦那を狙ってるの?」

「地煞はほんっと胸くそ悪い。陰でコソコソばっかり。やるなら表に出て正々堂々、タイマン張れっての」

「悪口言ってる場合じゃない。藤原の旦那を見に行こう」

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